1. エグゼクティブサマリー

本事業は、展示会事業で培った「組み立て式木造ユニット」のノウハウを、日本のオフィス・商業施設の内装市場へ応用展開するものである。

従来の内装工事が抱える「工期が長い」「コストが高い」「移転時の原状回復で廃棄される(もったいない)」という構造的な課題を、「置くだけで設置でき、移設・再利用が可能な木造ユニット」によって解決する。

ターゲットは、柔軟性が求められるスタートアップ企業のオフィスや、短期間のポップアップストア。展示会事業との資材・人材の共有により、低コストで高付加価値な「和モダン空間」をスピーディーに提供し、フロー収益(販売・施工)とストック収益(レンタル)の両立を目指す。

2. 創業の背景と狙い(横展開のシナジー)

背景:展示会事業からの発展

我々は、中国企業向けの代理出展事業を通じて、「短時間で設営・撤去でき、かつ高級感のある木造ブース」の開発ノウハウを蓄積する(予定である)。この強固なハードウェア資産を、年に数回の展示会だけでなく、通年で需要がある内装市場へ転用することで、事業の多角化と収益の安定化を図る。

資産の最大活用: 展示会で使用しない期間のユニット在庫を、レンタルオフィス家具として貸し出すことで稼働率を最大化する。

コスト競争力: 展示会事業と部材調達・加工を共通化し、量産効果によって製造原価を低減させる。

施工部隊の安定稼働: 展示会の閑散期に内装案件を受注することで、提携職人の稼働を安定させる。

3. 市場環境と顧客の課題

市場環境(PEST分析的視点)

社会(S): コロナ禍を経て、オフィスには「単なる作業場」ではなく「社員が集まりたくなるコミュニケーションの場」としての価値が求められている。Web会議の増加により、個室ブースの需要が急増中。

環境(E): SDGsの観点から、スクラップ&ビルドの内装工事が見直され、環境負荷の低い木材利用やリユースへの関心が高まっている。

ターゲット顧客のペインポイント(課題)

ターゲット具体的な悩み成長中のベンチャー・中小企業「人員増加でレイアウトを変えたいが、工事費が高い」「移転のたびに内装を壊すのがムダ」ポップアップストア出店者「1ヶ月しか借りないのに、本格的な内装工事はできない」「什器レンタルでは安っぽくなる」ビルオーナー・管理会社「空室対策として、入居者がすぐに使えるお洒落な会議室やラウンジを低コストで用意したい」

4. 提供サービスと強み(バリュープロポジション)

「工事不要」をキーワードに、パッケージ化された空間ソリューションを提供する。

主要製品ラインナップ

オフィス向け:Web会議&集中ブース(1人用/2人用)

既製品のスチール製ブースにはない、木の温かみと遮音性を提供。

オフィス向け:コミュニケーション櫓(やぐら)

オープンなオフィス空間に「屋根付きの特別な場所」を作り、自然と人が集まるカフェのような空間を演出。

店舗向け:ポップアップ・基本キット

商品の陳列棚、間仕切り壁、レジカウンターをセットにし、最短1日で店舗が完成するキット。

競合優位性(強み)

比較対象当社の強み一般的な内装工事会社圧倒的なスピードと可変性。 アンカー固定が不要なため、賃貸物件でも導入しやすく、原状回復費用を極小化できる。オフィス家具メーカー「本物の木」の質感とデザイン性。 スチールやメラミン化粧板が中心の既製品ブースに対し、国産材などを用いた「和モダン」な意匠で差別化する。

5. ビジネスモデルと収益計画

初期導入ハードルを下げ、継続的な収益確保を狙うハイブリッドモデルを採用する。

サブスクリプション/レンタルモデル(ストック収益):

初期費用+月額利用料。契約終了後は回収・メンテナンスして再利用。

ターゲット:賃貸オフィス、ポップアップストア。

※展示会事業が軌道に乗り、資金的な体力がついた段階で本格化させる。

価格戦略(イメージ)

従来の工務店による造作工事よりは安く、量産品のオフィス家具よりは高い、「ミドルハイクラス」の価格帯を狙う。

6. マーケティング・販売戦略

Webマーケティング(プル型):

「短工期 オフィス内装」「Web会議ブース おしゃれ」「ポップアップ 内装」などのキーワードでSEO対策を行う。

アライアンス戦略(プッシュ型):

オフィス仲介不動産会社: 居抜き物件やセットアップオフィス(内装付きオフィス)の付加価値として提案してもらう。

設計事務所・デザイン会社: 彼らが設計するオフィスの一部(会議ブースなど)に、当社のユニットを採用してもらうよう営業をかける。

7. 事業ロードマップと課題対策

ロードマップ

フェーズ1:実証と事例作り(展示会事業と並行して開始)

自社オフィスや協力会社にテスト導入し、使用感のフィードバックを得る。魅力的な事例写真を撮影する。

フェーズ2:法規制対応とパッケージ化(1年目後半〜)

内装制限(消防法・建築基準法)に対応するため、不燃木材の使用や、スプリンクラーとの兼ね合いをクリアした設計パターンを確立する。

フェーズ3:レンタル事業の本格化(2年目以降〜)

在庫を確保し、サブスクリプションモデルを積極的に展開。ストック収益比率を高める。

主要なリスクと対策

リスク:法規制の壁(消防法など)

対策:設計段階で専門家(建築士・行政書士)と連携し、「家具・什器扱い」となる範囲を明確化する。必要に応じて不燃認定材料のラインナップを揃える。

リスク:類似品の出現

対策:「和モダン」のデザイン性でブランドを確立することに加え、展示会事業との連携によるコスト競争力で他社の追随を許さない体制を作る。